今年もそういうことで 肩はバキバキ、足はガクガクになるまで遊び倒し、帰ってきたのは朝の5時。 じいさんはもう起きていて、朝飯のためにおすましを温めていた。 「ワシの湿布でよければ、テーブルに置いておいたからの」 ありがたく二枚拝借して、両肩に貼ってみると、すっと背中が軽くなる感覚がして、眠かった目も冴えてきた。 「三が日が過ぎたら、また医者から貰ってきてはくれんか。あそこの医者、腕はいいが、ちと喧しいのが難点じゃな」 ぶつぶつとおすましを温め続けるじいさんの腰は、また曲がっている。 じいさんの腰にも貼ってやるべきかと思い、テーブルに散らばる湿布に目をやると、一枚、明らかに異質なものがあった。 「これ、風魔、さっさと片付けんか」 湿布を散らばした本人は、ちらちらとその異質なものと小太郎に目を動かし続ける。 小太郎は湿布を避けて、異質なそれを両手で持ち、頭を下げた。 中にはきっと、三つ折りの一万円札。 |