お題 | ナノ

今日はお腹が痛いので


とうとうこの時がやってきた。

「楽しみでござるな、慶次殿」
「ああ、うん」
「さっさと進んでくんない、慶ちゃん」
「分かったって」

並んで並んで三時間、ようやく入れると怖いもの知らず二人が慶次の背中を押す。
ここで行かなきゃ男が廃る、とはまさに今のことを表すのだろう。
でも、でも。

「やっぱり無理!」

並んで並んで怖さが溢れて。
有名なお化け屋敷の列をかいくぐり、慶次は敵に背を向け逃げ出した。