お題 | ナノ

まだ本気じゃない


机の上で書道ができるものか、と慶次は思う。
書道というものは、インスピレーションがインポータントなインタレスティングなものであるから、こんな狭い机の上でインスピレーションを爆発させることなんてできないのである。

「字が汚いな、真面目にやれ」

だからいくら長政が慶次を叱ったところで、慶次の字は直らない。
授業中には納得のいく作品を提出できず、その持論のもと、放課後の教室で居残り書道をやってみた。

「いや、こんなもんじゃないんだって」

インスピレーションもインポータントもくそもあるか。
慶次の字は汚い、それはどこで書いても同じなのである。