お決まりのセリフ? 「あなた、帰蝶と、言いましたか」 「いや、濃姫先生と…」 もう少し慶次の話を真面目に聞いていたら、帰蝶と濃姫先生が同一人物だと気付けただろうか。 いや、気付いたところでどうしようもない。 それより光秀がこんなに慌てているのが珍しくて、雪崩を止めることも何か言ってやることもできない。 「ああ、帰蝶が入れたコーヒーだと分かっていたら、私は、あのような真似はしなかったというのに…」 長い足でそこら中を歩き回り、作ったばかりの問題集を踏みにじっていく。 光秀はどんどん言葉を落として、昨日の長い足での犯行を露わにしていく。 長い足は二つの罪を犯した。 とりあえず、どちらにも当てはまる台詞を。 「犯人はお主だ!」 |