かの有名な助手に倣え これは仕組まれた罠だ。 何故薬棚から手のつけられていない書類が出てくる。 「これを三枚組にしてホッチキスで留めてください」 コーヒーまみれな白衣には全く構わず、光秀は嬉しそうに次々と書類を出していく。 来月の保健だよりかと思って中身に目を通したが、数学の問題集のコピーだった。 「忘れていたんですよ、頼まれたの」 放課後講習に使うものらしい、と言い放った。 講習は明日からだ、どういう神経をしているのだろう。 「いやあ私は幸運だ。こんな優秀な助手ができて」 これは仕組まれた罠だ。 しかし元就は従うしかなかった。 コーヒーがまだ滴っている。 |