お題 | ナノ

名探偵は不在


結果を述べてしまおう。
元就は光秀の長い長い足に引っかかった。
そして出前のコーヒーをぶちまけた。

最悪なことに、光秀の書類だらけの机に。

「おやおやおやおや!これは学年一の秀才、毛利元就くんではないですか」

飛んで火にいる夏の元就は、これから予想される結末を頭に浮かべ、大きなため息をついた。
せめて目撃証人がいれば、多少は有利に立てたかもしれなかったのに、ベッドカーテンは固く閉ざされ、何も目撃することはできなかった。