それはミステリー 元就は濃姫から頼まれただけだった。 「このコーヒー、彼に持って行ってくれない?」 おおよそ干からびて死んではいないだろうか心配しているのだろう。 ならば自分で見に行けばいいものを、とズバリ言ってしまうほど元就も子供ではない。 以前、二人の関係を慶次が噂していた。 たまにはあの噂魔も役に立つものだ。 「失礼します」 それにもしかしたら半兵衛がいるかもしれない。 頼まれ物は保健室、半兵衛がいるなら誘って帰るのも悪くない。 ちら、とベッドを分けるカーテンを覗いた、瞬間、足に何か引っかかった。 |