お題 | ナノ

それは愛じゃない恋じゃない


酔いつぶれて布団に運ばれ、ほんの少し開いた隙間から、二つの声を確認した。

「悪い、料理を下げてくれるか」
「分かった」

金と蒼は、眩しそうに襖を見ている。
好きだった人と、殺した人。
断ち切れない思いと眠気と吐き気がごちゃ混ぜになって気持ち悪い。

「お前、一つ聞いても…」
「Don't say、佐助には聞こえているはずだ、…忍なら、な」

お猪口が一つ割れた。
深い眠気が押し勝った。