かけはなれた真理 「そろそろ聞かせてくれねえか」 かき揚げ丼もあと二口、蒼はもったいないので食べきれないでいる。 箸を持ち上げたり下ろしたり、とっくになくなった茶を飲んでみる振りをしたり。 佐助の最後の一口は、ずっと喉に引っかかっている。 「yesterdayの話の続き、真田がどうとか…」 「失礼する」 いよいよもって言い逃れのできない空間に佐助が眉を潜めるのと同時に、真横の襖が二つに割れた。 「そろそろ温泉へ案内したいのだが」 綺麗な金色の髪。 日本旅館には似合わない、気高い瞳。 佐助は、蒼でさえも、頷くことしかできなかった。 |