お題 | ナノ

(また会いに来るから)


政宗は雪に埋もれてしまった。

「政宗様を、知りませんか」

赤々と滴る雪の先へと、一人の青年が駈けてくる。
いつきは頬を上気させ、赤い草鞋を脱いで崖へ投げた。

「さっきまでいたんだが…おらたち、織田の連中と戦うのに必死で、いつの間にか見えなくなっただ」

政宗を雪に埋めた。
融ければ、また会える。

「すまねえな、小十郎」
「いえ、見つけたらすぐにお知らせください」
「もちろんだ」

地面を踏み固めると、赤い足跡がいくつも場所を示していた。