お題 | ナノ

とおい未来と共に死んだ


無断で大学を休むのは初めてだった。
ノートを誰かに取ってもらっておこうか、と考えると、すぐに紅の顔が浮かぶ。
必死に振り払い、助手席のシートベルトを締めた。

「どこへ連れて行ってくれるの」
「まあ、無免許は隣で待ってろって」

自分だってペーパーのくせに、とぼやくと、蒼はわざと狂ったハンドルさばきを披露して、佐助の心臓が飛び出たのを見て、喉で笑った。

「carの運転なんて、horseに比べたら屁みたいなもんだ」