お題 | ナノ
息が、つまる、感覚
「おい、これ、お前の気に入っていたアールグレイじゃねえか」
どうしてこの蒼と同居しているのか、たまに疑問を感じることがあった。
専らの理由は、同じ大学に進学したから。
奥州に住む蒼と初めて顔をつきあわせたのは、入学式だった。
いくら何でもおかしい。
居心地の良さに紛れて忘れかけた疑問が、茶葉と一緒に足元に広がる。
「おい」
肩を叩かれ、言い逃れのできない現実を知る。
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