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カタストロフィー


どこかで、呼んでいる。誰かが、呼んでいる。
煙る筒を一振りで払い、信長は振り返った。マントが空高く舞い上がるのを厭い、見えぬその先をゆっくりと思考する。きっと他の何がいなくとも、それが直に現れる。大丈夫だ。何を心配することもない。山崎へ、今は、仕留め損ねた光秀を、早く、早く。

「…たわけが」

散々な振る舞いをしてきて、それでも尚、濃姫が来ると思うておるのか。馬鹿馬鹿しい。

さあ、皮肉な結末を知りにいくとしよう。