ログ | ナノ
蛙との遭遇
穴に落ちた。小さな世界が広がっていた。
「おやまあ、大丈夫かい」
ぽかん、と口を開けたままでいると、相手も同じような顔でこちらを見ていた。素っ頓狂な顔は、光と泥とで黒ずんでいた。
「綾部先輩」
「うん」
「綾部先輩ですか」
「そうだよ」
僕は三年ろ組の神崎左門です、と言いたくなったけれど、大丈夫かい、がずいぶん優しい響きだったので、綾部先輩なんだ、と呟いた。綾部先輩ですよ、と返ってきた。
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -