「鉄砲隊の息子ってすごいな」 「そうでもないですよっ」 そう言いながら、虎若は得意気に笑う。つられて藤内も笑うと、三木ヱ門は不満そうに口を尖らせて会話に交ざってきた。 「結局は自分がどうなるかが大事なんだよ」 三木ヱ門の実家について聞いたことはなかったが、これでなかなか三木ヱ門も苦労しているようだ。 そんなことを匂わせたかと思いきや、すぐにいつもの三木ヱ門に戻り、春子と呼んだ軽量野戦砲に火をつけ、虎若と藤内の気持ちを全部飲み込む。 三木ヱ門は最後に何か言ったようだったが、万人敵に吸い込まれ、二人は聞かなくて良かったのかもしれない、とそっと思った。 |