ログ | ナノ
無限大同盟


七松先輩の用意してくださった塹壕は少し寒い。僕と七松先輩の体格差を明確に表して、風がひゅうひゅう体を伝う。

「僕も五年後にはこうなれるんでしょうか」
「さあね」

暇そうな顔で穴を掘りに来た綾部先輩に尋ねると、至極もっともな返事が返ってきた。穴が穴を呼んで、たまに泥がかかる。

「わたしの掘るター子ちゃんは大きいけれど、ター子ちゃんほどわたしは大きくないよ」

その夜、僕はター子ちゃんにちょうどいい大きさになった綾部先輩の夢を見た。
朝、滝夜叉丸先輩が綾部先輩と僕とを見て、何をやっているのか分からない、と言いたげな表情で見てきた。綾部先輩と僕は顔を見合わせて、笑った。

「ちょっとは身長伸びたかな」
「成長期ですから」