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換気から始めよう


「すごい火薬の匂い」
「本当だね」

体を洗ったら風呂を洗って、また硝煙蔵の掃除の始まりだ。肌にちょうどいい湯温は、風呂の時間外の特権。出たくない。
ぽかぽかと温まる元凶は、鼻歌なんて歌いながら水鉄砲で遊んでいる。

「このまま久々知くんと伊助くんが全部片付けてくれたらいいのに」
「ふやけてもいいから、お風呂から出たくありません、僕」

だよねえ、とぶくぶく手拭いを沈めて顔を拭く。湯はずいぶん黒ずんでしまった。

タカ丸が壷を三つ四つひっくり返して、それを見て焦った久々知が勢い余って壷を割り、走って駆けつけようとした伊助が三郎次にぶつかって転んで、散々な硝煙蔵に土井先生が来た時にはみんな火薬まみれで、そのまま土井先生に泣きついた。誰が一番のとばっちりだろうか。