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似合わない、嫌い


委員会柄かよく訪れるあの部屋は、つんと鼻を刺す匂いでいっぱいだ。目にじんわりと浮かぶ涙とか、いいことなんて一つもない。

「泣いてんのか」
「泣いてません」
「泣いてないのか」
「薬の匂いがきついから、です」

委員会柄かよく訪れるあの部屋に、今は委員長が薬に隠れて存在を失っている。きつい匂いで潤んだ瞳には、何がどれだか分からない。
七松先輩、と呼んだ声は、粒子で喉がやられていて、だから、七松先輩は、綺麗な空気が吸いたいな、と言ったのだと思う。

「泣いてもいいぞ」

ほら、と布団を叩かれた。にかっと笑った顔は全部隠れて、白い世界に置き去りだ。
いいことなんか、一つも、一つも。