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結果論の片隅


「からくりが僕のすべてなんておかしいでしょ」

真っすぐな瞳に平衡感覚が狂う。立てているのか倒れているのか分からなくなる。見透かされてどこかへ消えてしまいそうだ。実際は瞳に縛られて、どこへも行けないのだけれど。
兵太夫にはからくりしかない、なんて言う一年い組が許せない、と確かに言ったことがあった。そう思ったし、今でもそうなのに、どうして今、兵太夫に頷けないのだろう。

「金吾だって刀がすべてじゃないって、言ってよ」

この言葉が続くのを知っていたからだろうか。もう、分からない。