「たくさん、きっと見つかりますよ」 歩幅はあっちに合わせたりそっちに合わせたり。佐武の鉄砲隊と照星のことを考えながら、二人は明るい野道を歩いていく。 「田村先輩は、学園で一番なんですから」 自信がなくなった、としょぼくれた上に教えを請いに行けなかった夏を思い出し、三木ヱ門ははにかむように笑う。佐武の若太夫も、それに合わせてにっこりと。 重たい看板を背負っているのは虎若の方だ。将来を期待されて、他の道を与えられていない虎若は、どんな思いで三木ヱ門の小さな愚痴を聞き、大丈夫ですよ、と優しく言ってくれるのか。学びたいことも、やりたいことも、たくさん、きっと見つかりますよ、と力づけてくれるのか。 ずっとずっと飛ばした石火矢の先に答えがあるか、と言われれば、それは間違いだけれど、それでも歩幅を合わせて歩いていく先にあると思わせる、何かが三木ヱ門には確かに見えていた。そんな気がした。 |