ログ | ナノ
部分汚れ


「伊助くんは綺麗好きだねえ」
「誰がですか」
「え、伊助くんが」

火薬の出庫表が年度ごとに並んでいるなんて、と久々知が感激して、タカ丸と三郎次が目を見合わせたのだから、やったのは伊助だろう。まさか三郎次くんが、と慌てて三郎次をじっくり見るが、三郎次の言葉の矛先はそちらに向いているのではなさそうだった。
潜められた眉は、久々知に誉められる役を伊助に奪われたからではない。矛は下を向いたまま地面に放たれた。

「伊助が綺麗好きだったら、一年は組の教室も長屋も、あんなに汚いはずないじゃないですか」