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三時の対立


「どうして一年は執拗に対立するんだか」

三郎は高みの見物を決め込んだように、ぼんやりそこから立ち去った。たった四年前の記憶が蘇らない。多分、今の一年のようだったのだと思うけれど、何がそんなに違う組が気にくわなかったのか、分からない。
残された学級委員長委員会の二人は目を合わせ、恐らくお茶菓子を取りに行ったであろう三郎の話を受け継いだ。

「どうしてだろう」
「個人主義とか、そういうあれじゃないかな」
「確かにい組はそんな感じが色濃いな」
「ううん、それは違う」

い組は自尊心の塊で、いつもは組を馬鹿にしていて、群れたがって、そうではないのか。庄左ヱ門はじっと彦四郎を見た。彦四郎の強い否定は珍しく、興味が引きつけられた。

「先に殻に閉じこもったのは、は組だった」

そんなこと、と喉を鳴らす。
全部忘れたように三郎がお茶菓子を片手に戻ってきて、庄左ヱ門も彦四郎も、どうでもいい雑談を始める。
閉じてしまった円を開く方法は、委員会活動にあったのだと、カステラを喉に押し込めながら、知った。