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規則違反植物図鑑


三日前に植物図鑑を借りた人物が誰か尋ねると、一平もよく知る人物だった。

「ちょっと貸してほしいんだけど」
「あ、いいよ」

ごみ溜めに住んでいるその人物は、ごみ溜めを漁るだけ漁って、ついでに一平にも手伝わせて、そうしてようやく友人に又貸ししてしまったことに気が付いた。
ため息をついたその口で、隣の部屋を訪ね、植物図鑑を貸してくれと頼む。

「いいよ、確かここに…」

どうして植物図鑑を出すのにからくりを使わなくてはならないのだろう。
足元の床が抜けた感触がした。