王様ゲームをしよう、と信号機が言った。 「…は?」 「やだ」 「俺様が王様になれんならいいけど」 「………」 冷ややかな目線らに信号機はチカチカと点灯する。まずい。悪乗りしてくれるような人はここにはいないのか。 はんべ、と一人が言い、旦那、かすが、小太郎、と一人が言い、言う人がいなくなった一人は七本の割り箸を見る。 「そうだ。ねえ、幸村君。その王様の色って赤?」 「そうでござる」 「じゃああと二つ、黄色と青に塗ったのを作ってさ、それを引いた人が慶次君、幸村君、政宗君に一つ命令できるってのはどう?」 「おお!」 「さすが!」 「Nice!」 教卓の下から二本のマジックを持ってきて、塗り潰す。誰も何も言わないのが切ない。 |