「黄砂がたくさん降るらしい」 「曇り時々黄砂ってやつ?」 「まあ、大体は」 そんな天気には見えないけどね。でもガラス窓は少しずつ黄砂ちゃんの被害を受けてきててやな感じ。 「佐助みたいになるな」 「冗談。みんなかすがみたいになるんじゃないの」 「私の髪は茶色じゃない」 「黄砂って黄色じゃないの?」 はあ、とため息。それ、神の吐息だったら黄砂を吹き飛ばせそう。神と髪を勘違いされたらやだから言わないけど。 「ところでさ」 「何だ」 「黄砂って、」 「まだその話か」 「有害?」 「さあ」 「小太郎みたいにマスクとかした方がいーかな」 気管支に入ったら危ないかな。それより目に入った方がまずいかな。幸いコンタクトじゃないからそんな気にする必要はないと思うけど。 「小太郎のあれは花粉症だ」 そういや。今年は杉がひどいらしい。もっさもさだってテレビでやってた。あり得ないあれ。被ったら死ぬって。山の中に生活してなくてよかった。マジで。 「花粉症予防って何必要?」 「うがい手洗い。後はコートを払ったりとかだな」 「旦那さ、最近すげーくしゃみすんだよね」 「すごいのはくしゃみの量かくしゃみ自体かはっきりしろ」 「両方」 「風邪じゃないのか」 「かも。俺様遷ったらどーしよ」 「ネギでも首に巻いとけ」 「ネギって花粉出る?」 とりあえず病院行って精密検査してこいって言われた。あーあ、教室から出たくない。 |