「だって作法委員だもん」 わがままで頭でっかちでプライドが高くて、何をしたって鼻で笑うくせに。 自分だって足をくじいているくせに、痛いくせに、どこまでもプライドが高くて。 「一緒に帰ろう」 いつの間にか止んだ雨のせいで地面がぬかるんで、遅いと先輩方が門の前で立っている。裏々山の遠足で、ここまで時間が掛かった生徒は見たことがない、と。左門と三之助は、と浦風先輩が言いたそうにしているのが何だかおかしい。 作法委員でよかった(けして楽な委員会ではないけれど)、と呟いたのは隣で。僕だって思ったのに、なんて言えない雰囲気が妙に心地よくて。 もしも来年もお互い学園に残っていたら、同じ委員会がいい、口には出ず、それでも伝わった。 |