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強度1


壊れてしまいそうな女を愛するのは、どんな男の特権なのか。
長政の妻は壊れてしまいそうだが壊れない。柔らかいものほど形を変えて、落ちても形を留めたまま。
強すぎる芯は折れない。濃姫もまつもそれだ。しゃっきりと立って、曲がらない目線は常に夫の背中にぶつかる。

「おら、強くねえんだからな」

子供は子供の恋愛を続けるために、無邪気を盾に生きなくてはならなかった。作られた無邪気はぼろぼろと零れて、波の音に消えていく。