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みはたをかかげよ
畳張りの小さな和室で、謙信は背筋を伸ばし、黙考していた。目の前に置いた剣よりもまっすぐに、睫毛だけが曲がる物体であるように、止まった空気を噛み締める。
音も気配もなく、すっとくのいちが姿を現した。謙信は睫毛に覆われた瞳をゆったりと開き、真一文字に結ばれた唇をそっと解く。
「わたくしのつるぎ」
「はい、謙信様」
「いきましょう。ちいさきやまに、びしゃもんてんのみはたをかかげるのです」
かすがははっと驚いた顔をし、
「はい、今日は炒飯です」
海を越えた飯の名を口にした。
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