現代 | ナノ

情報集めの鬼


「そうだね、君、昨日はすごい飲んでいた」

記憶がないから助けてほしい、と言うと、電話口の半兵衛は動揺のない声色だった。
元親は本当に知らなそうだったが、半兵衛は判断がつかない。

「何か情報持ってない?」
「残念、電話で済ませて正解だったね」
「…どういうこと」
「僕は二次会に参加していない。一次会ではまだ君、変なことは言ってなかったよ」

頭の中でバツ印をつけていく。
旦那、慶ちゃん、元親、半兵衛。
あとは。

「分かったら教えてほしいな、君の大変な話」
「…笑い飛ばせそうだったらね」

伊達ちゃんと、かすが。
嫌な予感しかしないのは何故だろう。