原付乗りの猿 「知らなかったんだ」 「何が」 「酔った人間に烏龍茶を飲ませたら余計酔うことが」 元親が本気で大真面目に謝ってきたから、何だかもう何を言ったらいいか分からない。 旦那宅からどれだけ離れていると思ってんだ。 慶ちゃんから原付を借りておけばよかった。 「それはまあいいけど、元親は俺様が何をしたか知らない?」 「吐いてたぜ」 「それ以外」 「あとは突っ伏したり烏龍茶を飲んでたな」 この調子じゃ有益な情報は得られそうにない。 吐いて突っ伏していたなら、介抱してくれた人間に聞くのが良さそうだ。 「もう烏龍茶を飲ませたりなんかしねえ」 「そうして」 |