現代 | ナノ




幸村がカッターを手に近づけていたので、もちろん取り上げた。

「被害妄想が激しいとは思っていたが、自殺するまで思い詰めていたのか」
「まっ、政宗殿!」

聞けば生命線が途切れていてこれからの人生が心配だから、傷をつけて繋げようと思っていたとか。
筋金入りのアホだ。

生命線なんて信じるな、と諭すと、声を大にして泣き出した。

「ちょっとちょっとアンターッ!旦那に何してんのさ!」

頬に平手が飛んだ。
そりゃあ、カッターで脅しているようにしか見えないってもんだ。