現代 | ナノ

神様頼みの首


「旦那…」
「頼むから聞くな」

旦那は頭を振って、頼む頼む、何遍も繰り返す。
まるであかべこだ。
こうなったあかべこは手がつけられない。

「…えーと、泊めてくれてありがとね」
「まだ寝ていなくて大丈夫か」
「このままじゃ、これから一生ぐっすり眠れないよ」

早く収拾をつけなければ、目の下に隈ができるか酒に走るか。
酒に走るのだけは避けたい。

べろんべろんの靴ひもを結び直し、まだ痛みを抱える頭を揺らしながら歩き出す。
ちくしょう何で三階に住んでいやがる。