現代 | ナノ

記憶探しの旅


天井を見上げて、ふと思った。
昨日の記憶がない。

「お、佐助、やっと起きたか」
「アレッ…旦那?」

頭はガンガンするし、布団はいつもと違う匂いがするし、何より自分の部屋にはこたつはない。
すぐに旦那の部屋だと分かったが、全体的に記憶が追いついてこない。
というよりは、ない。

「えーっと…飲んだっけ」
「打ち上げだ。一年お疲れ様会」
「そうだ、それだ」

一応客人らしく布団から這い上がろうかと思ったが、正直無理だ。
旦那から水をもらい、落ち着いてきた頭で思う。

自分は、何か重要なことをしでかさなかったか。