間取り 死んだ魚に連れられて、トイレを案内され、これは酷いという結論に至った。 「すぐに電話して、直してもらえるよう言っておく。迷惑をかけた」 「おー、頼むぜ」 「もしそちらの家の方まで工事が行ったとしたら…いつ家にいるのだろうか」 今日は土曜だから、今はみすぼらしいが慶次の派手な友人は出かけるに違いない。 彼は肩をゴキゴキと回し、甘い息をついた。 「いーよいーよ、いつでも。どうせ今日明日は締め切り近いから家から出られないしな」 目を擦って眼鏡をかけ直し、指を一本ずつ鳴らす。 「締め切り?もうレポートが出た講義があるのか?」 元就の疑問に、かけ直したはずの眼鏡をまた何度もかけ直し、瞬きをしては目を擦り、髪を解いては縛り直しながら、彼はそうそうだのそれそれだの言った。 「とにかく家の鍵は開けておくからな」 |