現代 | ナノ

物入り


銀色の髪をした、眼帯の。
見たことのある顔。

「…慶次の友達か?」
「だから誰なんだよ、お前。慶次は知ってるが、お前は知らねえ」
「我は、201号室の者ぞ。張り紙を見て、来たのだが…」

大きくて派手な、目立つ風貌が二つ並んでいれば、嫌でも目に入る。
元就は慶次と初習言語で一緒だったが、この階下の住人は学食で慶次と馬鹿騒ぎしているのをよく見かける奴だ。

「あー、上の兄さんか。見てくれ、ひでえから」

その時は派手に決めていた髪の毛を、今はだらしなく後ろで縛り、死んだ魚のような目に眼鏡をかけている。
これは寝ていない顔だ、こんな酷い顔の慶次を見たことがある。