現代 | ナノ

出落ち


「いらっしゃいませー…ってえええ」
「コンビニ店員ならもっとハキハキと挨拶せぬか」

朝六時のコンビニ、来るのはサラリーマンか老人か、はたまたオールでまだ酔いの抜けない学生か。
いやにシャキッとした客だと思ったら、友人だった。

「どうしたんだよ、こんな朝早く」
「少々厄介事に巻き込まれてな。レジ、早く」
「あ、はいはい…えっと、やけ食い?」
「すると思うのか」

トントンと並べられたティラミスやらマンゴープリンやらのバーコードを読みとりながら、慶次は大あくびをした。
袋はご入り用ですか、スプーンはおつけいたしますか、温めますか。
釣り銭を明らかに間違ったのに気づいたが、まあいいかと大あくびをして見送った。