現代 | ナノ

寝落ち


階下の人物が今にも呼び鈴を鳴らすのでは、という不安な夜を過ごした、といっては語弊があるが、元就なりに何となく気分がそわそわするような夜だった。
気持ちが落ち着かないから冷蔵庫を無意味に開け閉めし、そろそろ使い切らなければならないもやしの袋を見てはため息をつき、振り返って元凶の洗濯機を睨む。
こやつ、今度から嫌いな者の名前をつけて呼ぼうか。

とりあえず「レポート」と呼ぶことに決めたら、何だか気分が軽くなって、いつもより早く寝た。