現代 | ナノ

感想


「市っ、この後用事はあるか!」

講義終了と共に立ち上がり、感想カードを持って市をゴールに走る。
市はまだ感想を一行も書いていない。

「え、ないわ…きっと」
「ならば、私とゆ、夕食を食べに行かないか!」

概説なので中文にしては人が多い講義で、しかも織田助教授の前。
これだけ話題があればもういいか、と元就は感想カードを提出して研究室へ向かった。
焚きつければ焚きつけるだけ燃え上がる主人公なんて、中国文学には飽きるほどいる。