現代 | ナノ

自転車


そういえば昼飯がないのだった。
あまりに空腹で最後の5分は飢えとの戦いだった。
最初の10分はニヤニヤとの、間の75分は眠さとの戦いをしていたのだが。

いつもなら原付に乗ってコンビニまで取りに行くのだが、もみじまんじゅう(生)の恨みがあるから、取りに行くのも悔しい気がする。
かと言ってただで手に入るものにわざわざ金を払うのもどうかと思う。

「慶ちゃん、三限ないから学食に行…」
「そうだ!もみじまんじゅう(生)を買いに行こう!」

空腹で、空腹だから、少し頭が正常でなかったのかもしれない。
気がつくと、慶次は自転車よりも速く走り出していた。