現代 | ナノ

ポケットカイロ


「大体そんなわけでさ」

皆で三限をサボって、屋上で作戦会議。
佐助と政宗と半兵衛とかすがと。
幸村と小太郎は風紀委員で取り締まる側だから、話には入れられない。

「どうにか元就の携帯を松永先生の家から出さなきゃいけないんだけど」
「easyな問題じゃねえか」
「おっ、持つべきものは友だねえ」
「new cellular phone」
「…はい?」
「新しい携帯買え。以上」

政宗は生活指導の常連だ。
松永を恐れている、というよりは、一旦取られたものは二度と戻らない、と経験的に知っているからこその発言だった。
彼のお洒落眼帯は、過去三度炭になっている。

「政宗、そりゃないよ」
「あ、俺様いい案思いついちゃった」
「えっ、何なに」

指を立て、佐助がとっておきを口にする。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず、だよ」

もはや敗色濃厚、である。