現代 | ナノ

明日


「まさか、ね。私はてっきり市の片思いだと思っていたわ」
「俺はそんな気してましたけど、まさか」

青春の御光が去り、二人は輝いた瞳を見つめ合った。
自分のことでもないのに顔がにやける。
問題児だとか面倒な生徒だとか思っていたが、今だけは秘密を共有する仲間として言葉を交わす。

「これからどうするのかしら」
「お市ちゃん次第っすよ」

長政が使っていた椅子を畳み、慶次はいてもたってもいられない跳躍を見せた。
濃姫も教師ではなかったら、きっと同じであっただろう。

「それじゃあ、多分直に長政が大声出すと思うんですけど」
「ええ」
「結果は朝のホームルームで!」