決断 「それなら、学級委員を辞めなくていいじゃない」 「そーだよ、一緒にいれてラッキーじゃん」 「このように公私混同でドキドキしてよこしまな思いのまま学級委員という大役をこなすのは失礼だと思って、思ったのだが」 はあ、と大きなため息。 もはや濃姫も慶次も教師生徒という垣根を越え、一致団結して長政の恋を応援していた。 「私は市を困らせてばかりだ」 支障をきたせば市に迷惑がかかる。 ならば辞めればと思った。 結果、あんな顔をさせてしまった。 青春のきらめきに濃姫は言葉が出ない。 慶次も何か懐かしむような顔で頬を掻いている。 「濃姫先生、ひとまず先程の話はなかったことにしておいてくれませんか。私は、市に会って来ます」 走れ、青春! 旗があったら、きっと盛大に振っていた。 |