現代 | ナノ

発覚


「分かった、って、どういうこと?」
「いやー、うん、いいよなあ」
「ねえ、前田くん、はっきりしなさい」

慶次はしまらない顔で長政の肩をバンバン叩く。
いつもの長政ならばはっきりと怒るところだが、今はしどろもどろに「止せ」と言うだけだ。

「長政って、お市ちゃんのこと」
「前田!私が言う……あの、好き、なのかもしれん」
「まあ」

語尾を濁らせた瞬間、長政はつま先まで真っ赤になった。

ああ、まさか。
市から長政への矢印は何となく理解できたが、まさか長政からも矢印が伸びているとは。

矢印は交差するか平行線のままか、それは長政の今の決断にかかっている。