現代 | ナノ

鳥羽


「濃姫先生、少々よろしいですか」
「どうかした?」

とある放課後、思いつめたような顔で長政がやってきた。
このような眉の潜め方は珍しい。
進路関係の悩みかと思い、折り畳みの椅子に座らせる。

「あの…市との学級委員を辞めさせていただきたいのですが」

瞬間、バサバサバサッ、そんな音が鳴った。
長政の後ろには、目を丸くした慶次、それと。

「え…?」

どうしてこうタイミングが悪いのか。
青春の引力としか思えなかった。