現代 | ナノ

正当化


「それはそうと慶次、くれ」
「…何をだよ」
「飯」

元就の隣の大男がにょっきり手を差し出す。
もみじまんじゅう(生)をくれるならともかく、まだ何か奪おうとしてくるのがこいつらだ。

「あ、忘れた」
「何っ」
「何故っ」
「Why?」
「マジで?」
「貴様…遅れてきて佐助を殴った挙げ句そのような…っ」

慶次はコンビニでバイトをしているので、賞味期限切れの廃棄処分品を大量に持ってくる。
前もってバイトの日を教えてもらうことで、昼食の二重買いを防ごうと思う男たちの、眼力。

「だって!」

扉の前で立ち往生する慶次は、届かないと分かり切っている言葉で自らを正当化する他なかった。

「もみじまんじゅう(生)で頭がいっぱいだったから!」