現代 | ナノ

仲直り巨星


「お前と伊達と真田が、仲直りをさせたんだろう。忘れたのか?私まで駒に使ったのを」
「忘れてないよ、そうだ、そうだった」

かすがはいささか憤慨しているようだった。
言われてみれば思い出す記憶に、乱世の微笑が混じる。

「やっぱり妄想なんだ」

あんな慶ちゃんを見ていられなかった。
豊臣の勢力が恐ろしかった。
仲違いから始まった戦争のような気がしてならなかった。
慶ちゃんは、半兵衛はさ、と恥ずかしそうに昔話をしたものだった。

「何がだ」
「こっぱずかしい俺様の」

かすがの隣を歩く妄想も。
旦那たちの素手の喧嘩も。
笑う慶ちゃんと半兵衛も。

すべて空虚に浮かぶ星のように、儚い光だ。