現代 | ナノ

耳鳴り法師


階段の七段目から落ちたらしい。
そんな段差、猿飛佐助様にかかれば平らも同然のはずだった。
まあ、あっちのだけど。

「政宗殿は佐助の背後に立ってはならぬ」
「そんな心配しなくても、二度としねえよ」
「某が佐助の背中を守るっ!」
「くだらない」
「ははは、ノリノリだねえ」
「本当に…佐助くん?」

背中を守るのは、誰の役目だ。
ふざけるな、俺様はアンタの背中を守って、落ちていったのに。
いや、死んでいったのに。

帰り道、頭の後ろが痛い。
じんじん、変な音がする。