現代 | ナノ

飛降り注意


「政宗殿がふざけて押すからいけないのだぞ」

避けたつもりの電撃は、たった片手の出来事で。
お洒落なのか髪の毛で片目を隠した伊達ちゃんは、とんでもなく間抜けな顔で平謝り。

「Sorry、な、マジごめんって」
「伊達、謝る必要はない、避けないこいつが悪い」
「かすがくん!」
「まあまあ、たんこぶに響くよ、たんこぶに」

個性派連中は揃いも揃って同じ服。
綺麗な白のシャツの中に覗く色だけが個性を表している。

「…佐助?まだ、辛いか?」

ふと視界を占領する不安な顔。
アンタさっきまで俺を揺らして泣いてましたよ、なんて、言ってどうする。
だからニカッと笑ってみせる。
こんな顔を、最後に見せたかったんだ、あんな情けない顔じゃなくて。

「どーってことないよ、旦那」