現代 | ナノ

私と賑やかに笑いませんか


充電を始めたウォークマンから、再び音楽が鳴る。
小鳥がさえずる。
相変わらず冴えない英語の合唱が聞こえる。
地学実験室から戻ってきた生徒たちが保健室の前を通る。

帰蝶は何も残さずに帰った、あの賑やかな包み紙さえもその手に持って。
賑やかな青春は、これからも続いていく。

「風魔くんは、この午後のロマンスを皆に伝えるのでしょうかねえ」

カーテンの裏に隠れ、じっと。
できるなら、あの賑やかな連中にもこの叶わない恋を知ってほしい。
そうしてもっともっと賑やかに、体育祭のように、何も残らないほど、賑やかに。