現代 | ナノ

私と秘密を共有しませんか


「ところで、何の騒ぎなのです」

いつもは埃一つ立たない保健室が、今日は何だか賑やかだ。
かすがに半兵衛に慶次、大分濃い。

「あー、鬼ごっこしてるんです」
「かくれんぼでしょう」
「まあ、そうとも」
「気の早い節分ですか」
「いや、ただの遊びなんですけど盛り上がりすぎちゃって」

かすがに見つからなかった人が、いや、かすがが最後に見つけた人が勝ち、というルールはかなり白熱する。
かすがは女の勘か野生の嗅覚か、とにかく見つけるのがうまい。

「保健室は奥の手なんですけど…」
「前田!お前までここに!」
「考えが重なっちゃったみたいです」

ベッドを軽々持ち上げられ、怪しい姿勢から脱却した慶次は、かすがにお礼を言っていた。
よほど辛い体勢だったのだろう。
言われれば湿布くらいは出したものを。